公益財団法人 T.O環境財団

奨学生の声

先輩の声

渡り鳥の尾腺ワックスを用いた外洋POPs汚染モニタリング

東京農工大学農学部環境資源科学科

私は,海洋汚染を包括的に,かつ非殺傷的にモニタリングする手法の開発のために,ジオロケーターを装着した渡り鳥の尾腺ワックスを用いた外洋POPs汚染モニタリングの研究を行いました。

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本研究では,採取時期によって尾腺ワックス中の汚染濃度が大きく異なることが分かり,モニタリング手法として確立するための課題が明らかになりました。今後はこれらの課題を解決できるような研究を行いたいと考えています。
また,精製が非常に時間のかかる操作であるため,毎日夜遅くまで実験しており,夕方にアルバイトをすることが難しい状況にありましたが,T.O環境財団様からのおかげで金銭面での心配をすることなく研究に集中することができたことを深く感謝いたします。卒業後は同大学院に進学し研究活動に励みたいと考えております。

酵素を用いたPET分解酵素の探索

東京農工大学 工学部 生命工学科

私はPET分解酵素の研究を行っております。

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廃棄されたプラスチックは容易に分解されず環境中に残存し、大きな問題となっています。その中でも主要なプラスチックであるPETは回収されると高いコストをかけて化学的に分解するか燃料として燃やされています。そこで新たなPETリサイクル技術として、酵素により分解する研究を行っております。私が在籍している研究室では新規のテーマでした。そのため手探りで実験を行っており、思うような実験結果が得られない日々が長く続きました。しかしT.O環境財団様のご支援により、アルバイトに割く時間を大幅に減らすことができました。その時間を研究活動に充てることができたおかげで、大きな成果を得ることができました。大学院でもこの研究を続け、酵素の特性を明らかにする予定です。T.O環境財団様のご支援でPET分解酵素の研究を進めることができましたこと、心より感謝申し上げます。

ティラピアS9画分を用いた医薬品の in virto代謝試験:魚類における肝代謝速度定数の解析

愛媛大学理学部理学科化学コース

私は所属する研究室で環境分析について研究しました。

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卒業研究では、ティラピアの肝臓中のS9画分を用いて、PPCPs(医薬品・パーソナルケア製品類)を暴露させ、逐次濃度を分取して測定することで、ティラピア肝臓のPPCPsに対する代謝能を評価しました。対象であるPPCPsは一般に下水処理では完全に排水から除去することが難しく、近年、低濃度ながら表流水中から検出されており、内分泌攪乱物質(いわゆる環境ホルモン)として作用するものも多いことから、それらの水生生物への影響が注目されています。本研究ではPPCPs25種をLC-MS/MSで定量しました。結果、13 種において有意な代謝が確認されました。また測定したin vitro代謝速度定数を生物濃縮係数(BCF)予測モデルの肝代謝パラメータとして適用し、予測されたBCFをin vivo試験から得られた実測の値と比較した結果、BCFの予測値は実測値の1.5-20倍程高値を示された。
結びにはなりますが、本研究をここまで行うことができたのは、本財団の奨学金によるご支援あってのことだと思います。経済面での不安がなくなったことで、その分の時間や労力を研究や勉学へと向けることができ、より一層集中してこれらに取り組むことができました。卒業後は大学院に進学し、PPCPsに関する研究を継続していこうと考えています。最後になりますが、本当にありがとうございました。

野性鳥類におけるPCBs の蓄積・代謝特性の解明と生態影響評価

愛媛大学 農学部 生物環境学科

私は、野性鳥類に蓄積するPCBsと、その代謝物であるOH-PCBsの定性・定量を行うことで、野性鳥類におけるこれらの物質の蓄積・代謝特性の解明を目指しています。

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これまでの研究で、私の所属する研究室におけるOH-PCBs分析法を確立し、トビ・アオサギ・ハシボソガラスの3種による蓄積特性の種間比較を行うことができました。大学を卒業後は同大学院に進学し、引き続き同様の研究に取り組んでいきたいと考えています。
私の研究は、試料の前処理操作に5日ほどのまとまった時間が必要となるため、アルバイトに入ることのできる日数が減ってしまうことが難点でした。今回TO環境財団様からのご支援を頂けたことで、金銭面での不安が解消され、より集中して実験に打ち込むことができました。心より感謝申し上げます。

有機構造規定剤を用いた有機−無機ハイブリッド二酸化炭素分離膜の作製

神戸大学海事科学部海洋安全システム科学科

私は材料化学の分野で、地球温暖化の原因として知られる二酸化炭素の分離膜に関する研究を行いました。

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本研究では、有機構造規定剤を用いることで高い分離性能を持つ二酸化炭素分離膜を作製することに成功しました。卒業後は同大学院に進学し、引き続き研究に励みたいと考えております。奨学金のご支援のおかげで、より集中して本研究に専念できました。心より感謝申し上げます。