
プラグインハイブリッド乗用車に搭載されたPd三元触媒の排出ガス浄化性能予測
早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科
私は, 昨今需要が高まりつつあるプラグインハイブリッド乗用車において、冷間始動および触媒劣化が触媒の浄化性能に与える影響について研究を行いました。
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自動車産業の主流となるハイブリッド乗用車は頻繁にエンジンを停止・始動を繰り返すため、触媒の浄化性能が悪化する要因である冷間始動や劣化の影響を強く受けます。影響度合いを解明するために行った研究手順を以下に示します。まず、表面反応を中心としたシミュレーションモデルの構築および劣化度合いを考慮する関数とその算出方法の確立を行い、その後、実車試験にてバリデーションをして、モデルの予測精度を確認しました。最後に、モデル上で冷間始動や劣化の影響について考察を行いました。その結果、プラグインハイブリッド乗用車の浄化性能は劣化や冷間始動の影響を受けますが、エンジン停止中の酸素の吸着により浄化性能は著しく悪化はしないことが示唆されました。バリデーションのための実車試験は長期間拘束され、実車試験以外にも供試車両の加工やシャシダイナモメータへの搭載等に時間を割かなければならないため、今年度は2か月程度泊まり込みで実験を行いました。本来であれば、アルバイトと両立するため、難しい実験でしたが、奨学金をいただくことができたので、時間を気にせず、実験に集中することができました。卒業後は大学院に進学し、触媒ではなくエンジンの研究を行います。触媒のみならず、エンジンの面からもカーボンニュートラルに貢献できるような成果を出せるように精進したいと考えております。最後になりますが、この度は、ご支援をしていただきありがとうございました。
いただいた奨学金により近づいた夢
東邦大学 理学部 生物学科
私は卒業研究として森林、郊外に暮らす野生生物の相互関係について研究しながら、ボランティアとしても、本州を中心とした野生生物調査を行ってきました。
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野外でのフィールド調査、遠方での泊まり込み調査が多い中、貴財団様からいただいたご支援は非常に大きな助けとなりました。また家庭状況から諦めかけていた、クイーンズランド大学への進学という、自身の夢にも近づくことができました。 人と自然がお互いを尊重できるような、そんな社会を作れるように。また私自身が人と自然をつなぐ架け橋になれるように、より一層活動に励んでいきます。 改めて、ご支援して下さった公益財団法人T.O環境財団様に感謝を申し上げます。 本当にありがとうございました。
ケージング in MATSUYAMA
愛媛大学 農学部 生物環境学科
私は学部4年生の1年間を通して、フィールドでの生物曝露実験を行い, その環境水の影響評価手法の可能性について研究を進めて参りました。
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本研究を通して学術的な知識だけでなく, 研究への向き合い方, 計画の立て方等多くのことを学ぶことができました。この1年間、T.O環境財団様からいただいた奨学金は経済面で非常に大きな支えとなりました。今後も水環境に係る研究を継続しながら社会に貢献できる研究活動に邁進していきます。 ご支援を本当にありがとうございました。
マイクロカプセルを用いたメダカへの経口曝露試験の評価
愛媛大学 農学部 生物環境学科
私は、マイクロプラスチックの1種であるマイクロカプセルを用いた、メダカへの魚類経口曝露手法の開発を行いました。
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化学物質の安全性試験では、動物福祉の観点から哺乳類の使用が減少してきています。その中で、代替法の活用として、魚類を用いた試験法が注目されています。しかし、魚類では、水に介しての曝露になるため曝露が困難な物質も多く、化学物質の網羅的な安全性試験に向いていない面もありました。ここでマイクロカプセルを使用することで、直接経口投与でき、懸念点が解決できると考えました。 本研究では、魚類にマイクロカプセルを経口投与した際の曝露量を算出し、水を介した曝露や哺乳類を用いた曝露試験との比較を行い、毒性の指標を作成することができようになりました。 奨学金のご支援のおかげで、不自由なく勉学に励むことができました。誠にありがとうございました。卒業後は大学院に進み、引き続きマイクロカプセルを用いた経口曝露手法の開発を行っていきたいと考えております。
ラビリンチュラ類の有機物分解能が海洋生態系に与える影響の検討
愛媛大学 農学部 生物環境学科
私は、菌類様原生生物ラビリンチュラ類の海水中における有機物分解能と、従属栄養細菌との相互作用について研究しました。
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この研究を通して、海洋生態系の維持に重要な炭素循環の仕組みの一端を理解することができました。地球環境保全のため、今後もさらなる飛躍が望まれる海洋分子生態学の知見の蓄積に少しでも貢献できましたことを嬉しく思います。この一年間T.O環境財団様にご支援いただいたおかげで、経済面の心配なく研究に専念することができました。今後は科学系・工業系の製造業に従事し、実際の製造現場における環境影響を知ることで、製品の生産性と環境保全を両立させる技術開発に携わっていきたいと考えています。改めて、T.O環境財団様のご支援に心より感謝申し上げます。