殻無し胚孵化装置を用いたネオニコチノイド系化学物質の鳥類初期発生毒性影響評価
愛媛大学スーパーサイエンス特別コース
T.F
私は環境毒性学分野の中で、特にネオニコチノイド系化学物質のひとつであるイミダクロプリドの鳥類初期発生毒性についての研究をおこなっていました。
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ネオニコチノイド系化学物質は現在世界で最も用いられている農薬のひとつである一方でハチや哺乳類といった非標的生物への毒性影響が懸念されています。食物連鎖の高位に位置する鳥類についても毒性影響が懸念されており、これまでの研究では鳥類の初期発生段階における毒性影響についての研究はほとんどなされていませんでした。そこで私は発生段階の鳥類胚を可視化して観察することができる殻無し胚孵化装置を用いることで、鳥類胚に対するネオニコチノイド系化学物質の毒性影響を評価し、可視化した毒性影響の評価に成功しました。
私の研究では実験動物を用いた研究であったこともあり、長時間動物から離れることができない研究でした。しかし貴奨学金をいただいたことによって生活を維持しつつ研究を遂行することができました。
貴奨学金に携わった方々にはこの場ではありますが多大なる感謝を申し上げます。
別府湾海底堆積物のコアラーによる採取と、堆積物中のマイクロプラスチック抽出・解析について
愛媛大学 工学部 環境建設工学科
A.M
私は大学にて,別府湾最深部におけるマイクロプラスチックの堆積フラックスの研究を行いました。
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海洋環境問題はSDGsの目標に掲げられるなど、大きな注目を集めています。本研究では別府湾海底堆積物のコアラーによる採取と、堆積物中のマイクロプラスチック抽出・解析を行いました。
近年になるにつれて、海底への堆積フラックスは増加していることが分かり、プラスチック生産量の増加と関係があることを示されました。
奨学金によるご支援があったため,首尾よく研究を行うことができました。深く感謝申し上げます。卒業後は同大学院に進学し研究活動に励みたいと考えております。
ペットフードを対象とした残留農薬の簡易一斉分析法の確立と農薬汚染実態について
愛媛大学 農学部 生物環境学科
M.S
私は、大学にて、ペットフードを対象とした残留農薬の簡易一斉分析法の確立と農薬汚染実態の解明のため、研究を行いました。
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ペットフード中の農薬分析法を開発し、実際に市販のキャットフード中の農薬を測定したところ、複数の農薬成分が検出されました。これまでペットの農薬汚染に関する研究事例はほとんどありませんでしたが、この研究によりペットフードが複数の農薬に汚染されていることを明らかとしました。
方法の開発から行う新規性の高い研究のため、とても難しく結果が出るまで時間がかかりましたが、奨学金をいただいたことにより、金銭面を心配することなく研究に集中することができました。ありがとうございました。
『東京湾沿岸域に棲息する二枚貝類および甲殻類における微量元素汚染』と『沖縄県離島沿岸域に棲息する生物における漂着ゴミ由来の微量元素汚染』の研究
東京農工大学 農学部 環境資源科学科 4年
Y.O
私は環境毒性学分野において、『東京湾沿岸域に棲息する二枚貝類および甲殻類における微量元素汚染』と『沖縄県離島沿岸域に棲息する生物における漂着ゴミ由来の微量元素汚染』の研究を行いました。
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東京湾における研究では異なる沿岸域での汚染形態の違いや今まで注目があまりされていなかった元素による汚染の可能性を示すことができました。
また、沖縄県における研究では近隣諸国からの越境漂着ゴミによる同地域に棲息する生物への微量元素汚染や島内のゴミの量が異なる地点での生物間の蓄積元素組成の違いを調べました。
多くの地点での研究を進める都合のなかで、T.O環境財団様からの奨学金は誠にありがたいご支援でした。
試料採取をはじめとした研究の準備や研究自体を円滑に進めることができましたことに深く感謝致しております。
環境計測学の分野で生物応答試験を用いた毒性同定評価に関する研究
愛媛大学 農学部 生物環境学科
Y.U
環境計測学の分野で生物応答試験を用いた毒性同定評価に関する研究を行いました。
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この研究では排水や環境水に含まれる化学物質の総合的な生態毒性を評価できる生物応答試験と、GC-MSによる一斉スクリーニング分析を行いました。これにより、試料中の毒性寄与因子の探索とその処理方法について検討、評価しました。そして本研究では、生物応答試験とスクリーニング分析の組み合わせが、排水試料等に含まれる毒性寄与因子の探索と処理評価に非常に有効であることが示されました。
この研究を通して生態リスクの評価方法について学ぶことができ、環境保全に関する知識を深められました。