阿蘇地域におけるスギの大径木を利用した木製ガードレールの実現可能性について
九州大学工学部地球環境工学科
私は、環境省が提唱する地域循環共生圏の考え方に基づき、土木分野においてスギの大径木を利用した木製ガードレールの実現可能性について、阿蘇地域を対象に研究を行いました。
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本研究では、阿蘇地域に木製ガードレールを実現するだけの十分な資源が存在し、スギの地域循環が成り立つことで現在一般的に使用されている鉄製ガードレールとの価格競争力を有するだけでなく、景観の向上にもつながるという評価を得ることができました。
また、研究の対象である阿蘇地域で何度も赴きヒアリング調査等行いましたが、T.O.環境財団様からの奨学金のおかげで金銭面での心配をすることなく研究に集中することができましたことに深く感謝いたします。卒業後は同大学院に進学し研究活動に励みたいと考えております。
別府湾および大阪湾の底質柱状試料を用いたPFAS汚染の時系列評価
愛媛大学農学部生物環境科
私は、研究室に所属する間に環境分析について学びました。
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卒業研究では、堆積年代が解析された大阪湾・別府湾の底質柱状試料を対象に33種のPFASs(ペルフルオロ/ポリフルオロアルキル化合物)を測定し、それらの鉛直分布を解析することで、PFASsによる汚染の時系列変化を評価しました。対象であるPFASs一部は、POPs条約により使用の禁止・制限がなされ、環境汚染物質として注目されています。底質試料は凍結乾燥後、メタノールを用いて抽出、OASIS Wax固相抽出カートリッジによる精製・濃縮後、PFASs 33化合物をLC-MS/MSで定性・定量をしました。結果、別府湾および大阪湾の底質柱状試料から、それぞれ異なる17種のPFASsが検出されました。両地域とも、PFASsの中でもPFOAを含むパーフルオロカルボン酸(PFCAs)が卓越的に検出され、その他PFOSが高頻度で検出されました。総PFAS濃度および堆積フラックスの鉛直分布を解析した結果、別府湾では2002年の堆積層でピークを示し、その後減少傾向にありました。一方、大阪湾のPFAS濃度やフラックスは、別府湾よりも1.5倍ほど高く、時系列トレンドも近年ほど上昇する傾向がみられました。したがって、大阪湾のような都市・工業地域周辺では、今後もPFASsの環境負荷は継続・増加する可能性が示唆されました。また、別府湾・大阪湾ともに近年ほどPFASsに占めるPFOS・PFOAの割合が減少しており、PFOS・PFOAの規制後に他のPFASsへの代替が進んでいることが推察されまいした。また、大阪湾では痕跡レベルではありますがFTSsやFOSAAなどの新規代替物が検出されました。
結びにはなりますが、本研究をここまで行うことが出来たのは、奨学金のご支援があってのことです。経済面での不安がなくなり自分に余裕と時間が生まれたので、研究と勉強に向けられる時間が増え、集中して取り組むことが出来ました。今後は、大学院に進学しPFASsに関する研究を継続するつもりです。奨学金が無ければ、研究の進捗も大きく変わっていたと思います。本当にありがとうございました。
環状官能基による海水有用元素吸着の研究
九州大学工学部エネルギー科学科
私は大学にて、海水や排水からレアメタルを捕集する技術の確立に向けて研究を行いました。
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この研究では、目標をリチウムの吸着と定め、捕集材として高分子ゲルを使用しました。
高分子ゲルは、三次元的に官能基を配置できるため、高い吸着効率が期待できます。また、繰り返し急脱着を行うことで再使用することができるため、環境面においても優れた捕集技術であると考えています。研究の結果、作製した高分子ゲルへのリチウム吸着が確認されました。
ゲルの作成や吸着の時間観察を行う中で、うまくいかないことも多々あり、実際に吸着が確認できるまでかなりの時間がかかりましたが、奨学金によるご支援があったため、金銭面を心配することなく研究に集中することができ、深く感謝しております。卒業後は同大学院に進学し、引き続き研究に励みたいと考えております。
極低温アルゴンマトリックス中における酢酸フェニルの光反応
東京農工大学農学部環境資源科学科
私は卒業論文のテーマとして、光Fries転位反応の反応機構の解明に繋げるべく、酢酸フェニルを用いて分子分光学的な研究を行いました。
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光Fries転位反応は、紫外光を用いるだけで有機化学合成に重要なFries転位を引き起こすことができる反応であり、ルイス酸触媒などの環境負荷の大きい化合物を反応に用いることなく合成することができる点で、注目されています。また環境中の農薬や医薬品が紫外線を浴びて劣化してしまうメカニズムについて考える上でのベースの反応としても研究に用いられることが多く、環境中の光反応を考える上で重要な反応です。しかしその反応機構についてはまだ未解明の部分も多々あるので、私は極低温アルゴンマトリックスという特殊な条件下で反応を進行させ、解析を行いました。
研究や学業に励むにあたって、T.O環境財団様からの奨学金には本当に助けられました。人によって状況は異なるとは思いますが、月に5万円という金額は私にとって家賃と光熱費を賄うには十分な金額でした。そのおかげもあって援助していただいた2年間は両親に特に仕送りしてもらうことも、また過度なアルバイトをすることもなく自分の好きなことをして学生生活に臨むことができました。誠にありがとうございました。
水素吸蔵合金における熱力学特性に関する研究
広島大学工学部第一類
私は、水素吸蔵合金における熱力学特性に関する研究を行いました。
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昨今の脱炭素化に向けて、水素は新たなエネルギー源、かつエネルギー媒体として最も注目を集めています。しかしながら、高い爆発性や体積が大きいことなど、危険性や常圧での扱いづらさがあり、安全な輸送・貯蔵方法に関する研究が進められています。その中でも、水素吸蔵合金は、水素化反応を用いて、水素を合金に吸蔵させることができ、常温・常圧において、高密度の水素を貯蔵することができます。
私の研究は、普遍的な熱力学的知見を導入することで、各水素化反応の特性について説明を試み、実験値の真偽の裏付けになるのではと考えています。
大学院では分野をより物性の方へ変更しますが、このように学びたいことを追求できたのも、偏に3年生から経済的支援をしていただいたT.O環境財団の皆様のおかげです。この場を借りて、深く感謝申し上げます。卒業後も変わらず、環境問題を意識しつつ、勉学に励みます。