
後世も輝き続ける建物を増やしていく
九州大学芸術工学部環境設計学科
私は、建築分野を専攻し、卒業論文では、旧日本海軍施設について研究しました。
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年半にわたる実地調査と文献調査から、第一次世界大戦から戦後にかけての建物の詳細な歴史や用途変遷、建築に関わった関係者の動向などが判明しました。
このように長期間にわたって日本各地で実地調査を行い、研究にうちこむことができたのは、関係者各位のご理解と協力そして、資金面ではなによりT.O環境財団様の支援があってこそだと改めて感じております。奨学金による資金援助のおかげで、歴史的に価値をもつ重要な建物を世に知ってもらうきっかけをつくりだすことができました。
今後も、このように日本社会がつむいできた歴史を反映する価値ある建物を一つでも多く後世へと有意義に利活用してもらえるように、該当分野での研究を継続していこうと考えています。本当にありがとうございました。
ニワトリ初期胚に対する有機リン系難燃剤の発生毒性評価
愛媛大学理学部理学部生物学科
私は卵殻外でのニワトリの孵化が可能である殻なしニワトリ胚孵化装置を用いて、有機リン系難燃剤の一種であるリン酸トリス(2-クロロー1-メチルエチル)(TCIPP)の発生毒性評価を行いました。
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近年、TCIPPの消費量は急増しているにもかかわらず、その発生毒性は殆ど知られていませんでした。本研究ではTCIPPはニワトリ初期胚に対して発生遅延を誘導し、胚発生に様々な影響を及ぼすことが明らかになりました。いただいた奨学金でパソコンを新調し、1年間問題なく研究に取り組むことができました。ご支援ありがとうございました。
海洋環境を想定したマイクロプラスチックに対する環境汚染物質の吸着特性について
愛媛大学理学部化学科
私は環境化学の分野で、海洋環境を想定した条件におけるマイクロプラスチックと環境汚染物質の吸着特性の解析を試みました。
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マイクロプラスチックと環境汚染物質の吸着実験は長時間に及び、データ解析にも多くの時間を費やすため、T.O環境財団様からのご支援がなければ研究活動に集中して取り組むことができなかったと思います。T.O環境財団様から奨学金のご支援をいただけたこと、重ねて心より感謝申し上げます。
蘚苔類と道路脇粉塵を用いた東京都と福島県における放射性セシウムの蓄積
東京農工大学農学部環境資源科学科
私は、環境毒性学の分野で『蘚苔類と道路脇粉塵を用いた東京都と福島県における放射性セシウムの蓄積』の研究をおこないました。
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東京都と福島県における調査では、放射性セシウムが蓄積しやすい‟ホットスポット“の発見、および事故後10年間での放射性セシウム濃度の経年変動を示すことができました。また、蘚苔類と道路脇粉塵の蓄積傾向の違いや、それぞれの試料と放射性セシウムの蓄積の関係性を考察し、今後の検討課題を明らかにすることができました。T.O環境財団様からの奨学金は、本研究を円滑に進めるうえで非常にありがたいご支援でした。心より感謝申し上げます。
In vitroバイオアッセイを用いた瀬戸内海の二枚貝におけるAhRアゴニスト活性評価と寄与物質の解析
愛媛大学理学部化学科
私は環境化学の分野で、in vitroバイオアッセイを用いて瀬戸内海の二枚貝に蓄積されたAhRアゴニストの活性評価と寄与物質の解析を行いました。
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二枚貝を生物指標とした近年のモニタリング調査により、瀬戸内海の沿岸域は多環芳香族炭化水素(PAHs)やそのアルキル化体(アルキルPAHs)に汚染されていることが明らかとなっています。これらの物質は芳香族炭化水素受容体(AhR)のアゴニストとして作用しダイオキシン様の毒性を示すことから、沿岸生物に対する曝露影響が懸念されています。しかしながら、本研究室で以前実施した化学分析とin vitroバイオアッセイ(PAH-CALUX)による統合解析の結果、二枚貝におけるAhRアゴニストの総活性に占めるPAHsの寄与は、ほとんどの調査地点で40%以下であることが判明しました。
そこで本研究では、瀬戸内海の二枚貝から検出されたアルキルPAHsのAhRアゴニスト活性をPAH-CALUXで測定し、benzo[a]pyreneに対する比活性値(REP)を見積もることで、総活性に対する寄与物質の解析を行いました。その結果、瀬戸内海の二枚貝に蓄積したAhRアゴニストの活性を75%程度説明できました。奨学金によるご支援を頂いたことで、より集中して研究に取り組むことができました。心より感謝申し上げます。